アプリレーベル、はじめます。

2012/01/03


謹賀新年 あけましておめでとうございます。
アプリレーベル、はじめます。

昨年の12/4に「CatchUpAcorns」というiPhoneアプリをリリースして、はや一ヶ月。
まだアプリレーベル・onTheHammockは準備中です。
なのでアプリレーベル、はじめましたとは言えません。
ですが、本格始動に向けてフル稼働中です。

ところでアプリレーベルという言葉も聞き慣れないものだと思います。
ふと思いついて出てきた言葉です。

私は『JUNGLE★LIFE』という音楽系フリーマガジンに約7年ほど携わっていました。
なので私にとってレーベルと言えば音楽レーベルのことです。
そして敢えて言うと、私がレーベルと聞いてイメージするのはインディーズレーベルのことです。

10代の頃からイギリスやアメリカのインディーズ音楽が好きでした。
クリエイション、ラフ・トレード、マタドールといったレーベルの音楽をこよなく愛していました。
そこそこ大人になってからもスリルジョッキーやワープからリリースされる音楽に興奮したりしてましたよ。

音楽雑誌に携わるようになり、私が出会ったのは日本のインディーズレーベル、インディーズバンド、インディーズファンでした。
自分が『JUNGLE★LIFE』に在籍した7年間でかなり多くのアーティスト、バンドにインタビューさせてもらったと思います。
その半分以上はインディーズのアーティストだったんじゃないかな。

そして多くのインディーズレーベルの方と知り合い、話を聞かせてもらいました。

自分の作品をリリースするためにレーベルをやっている方、
昔から好きだったアーティストの作品をリリースするためにレーベルをやっている方、
レコードショップをやりながらレーベルをやっている方、
ライブハウスを運営しながらレーベルをやっている方、
メジャーレコード会社の社員として働きながらレーベルをやっている方、
アルバイトしながらレーベルをやっている方、
いろんなレーベルの方に出会いました。

アーティストにインタビューするのも面白かったけど、レーベルオーナーに設立経緯なんかを聞くのも凄く面白かった。

レーベルの方にインタビューする時、よくしていた質問があります。
「あなたのところのレーベルのカラーって何ですか?」
これはレーベルの方を困らせる質問です。

レーベルってジャンルじゃないんです。
例えばパンクロック専門だと思われているレーベルの方も、自分でパンクロック専門レーベルをやっているとは考えていなかったりします。
むしろ、そうやって規定されることが嫌だったりします。
レーベルには、それを運営している人たちの音楽感や音楽的視点が込められているのだと思います。

私はレーベルも表現の一種なのだと思います。
レコード会社という言葉とレコードレーベルという言葉は同じようでいて、何かが大きく異なります。

さて、前置きが長くなりました。
スマートフォン・アプリの市場は巨大メジャーメーカーも存在しますが、個人で自分の作品を発表しているクリエイターも沢山います。
経験がなくてもアイデア1つで面白いアプリをリリースしたり、個人でも斬新な発想でこれまでなかったようなアプリが発表できる。
私にはそれが自分に馴染み深い音楽シーンと重なって見えました。

ここにレーベルという発想を持ち込めば、なにか面白いことが出来るかもしれない。
アプリレーベルというアイディアはそうやって生まれました。
onTheHammockでは、これから面白い作品や魅力的なクリエイターを紹介していきたいと思っています。


2012年の夜明けです。
onTheHammock・桑村治良

「われわれを刺激する芸術作品は、ごまかしや不安を抱いた人間からは生まれない。芸術は、大きな喜びにあふれた楽観的な人間性のあらわれであり、その瞬間にこそ作品が生まれる。」
ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』