取材先にて

blog6eyecatch
2012/03/09

blogphoto6
公言していたわけではないですが、onTheHammockは月イチでアプリをリリースしていこうと思っていました。
が、そんなことは無理でしたね!!
計画は計画性を持って立てなくてはいけないです。

まあ、頑張れば出来ると思ってたんです。
じゃあ頑張ってないのかと言うと、”いや頑張ってるよ”と言いたい自分がいますが、
“もっとやれんだろ”という自分もいて、そもそもいつもそんな葛藤の日々です。

ただ停滞しているわけではありません。
雪だるま式にやることが増えていまして、
そのやることの塊に意気消沈するわけにはいかず、
なるべく勇猛果敢に取り組もうとしているのですが、
ただ溜息まじりに”そろそろマネーを稼がねば…”と、
さびしく嘆くそんな毎日を過ごしています。

そんな今日このごろですが、現在のメイン作業に充てられているのが、”タウンガイド”的アプリの開発です。
これまでリリースした2つのゲームアプリとはかなり趣向が異なるものです。
まだ詳細は明らかにできませんが、ほぼ出来ました。
もうちょっとしたらお目にかけられるはずです。
手前味噌ですがいい狙いの、いいコンセプトの、アプリだと思いますよ。

さて先日、そのアプリに関連した取材の帰りに、ある喫茶店におじゃましました。
喫茶店というか、茶店(ちゃみせ)と言うのが似合うようなお店です。
和式の邸宅を改造したお店で、掘りごたつのテーブルがあり、
目を外にやれば緑に包まれた小さな庭があって、
珈琲も美味しくて、何時間もいられるような、すごく和めるところでした。
隠れ家という言葉が当てはまる、あまり知られていないようなお店です。

現在、我々が制作しているアプリはタウンガイド的なものですから、
是非ともこのお店もアプリのなかで紹介したいと思いました。
そこでその旨を伝えたんですが、店主は少し表情を曇らせました。

この喫茶店は開店してから、ご夫婦で少しづつ作られてきたそうです。
まさに手作りのお店です。
ここで出される珈琲も、紅茶も、手作りのケーキも、
来店されるお客さんも、そこで生まれる空気感も、
少しづつ作られてきたそうです。
この空間自体がお店の価値なんですね。

我々も長居して、お店の話を聞かせてもらったのですが、
この場所に和んで何時間もいらっしゃるお客さんは少なくないそうです。
ここは、そうやってのんびり過ごしていい場なのだそうです。

今はWebでググればたいていのお店が出てきます。
写真やメニューや行った人の評価まで載っていてすごく便利です。
ただ、それはユーザーにとって便利なシステムであって、
お店側にとっては強引なシステムなのかもしれません。
お店が提供したいサービスと必ずしも合致するわけではないかもしれない。

この喫茶店の店主が顔を曇らせたのは、媒体に紹介されることで
これまで作り上げてきた”場”のバランスが崩れるのではないか、そういう懸念だと思います。

素敵な場所だと思ったから紹介したいと思ったのに、そこが素敵でなくなったら意味がないですね。

現在、制作しているタウンガイド的アプリは、
その街の”ファン”を作ることをコンセプトにしました。
ファンというのは、単に好きや楽しいという感覚だけではなく、
思いやりや愛着を持つことだと思います。
それは好きなものを大切にすることに繋がると思います。

このアプリは興味深い場所や楽しい場所を紹介する便利なツールではなく、
その街を深く知り、何度も足を運びたくなるような、そんなツールにしたいです。
ちょっとハードル高いですね。
まあ、いずれそういうツールに育って欲しいです。

onTheHammock・桑村治良

blog6photo
そもそも町歩きが好きなんですが、その醍醐味といえばコレ↑ですね。


 

広報宣伝 日々是勉強

2012/02/23

onTheHammockをスタートさせてからいろんな方と会う機会ができ、多くの刺激を受けています。
何気ない話が膨らみ、アプリの企画になることもありました。
ヒントを貰うことも多々ありますね。
あと「こんなサービス知らなかった!えっ、この業界では常識なんすか??」 なんてこともあったりします。

先日はApp AnnieというWebサービスを教えてもらいました。
これはAppStoreで配信されているアプリの各国ランキングを調べることが出来るサービスです。
このApp Annieで、先月リリースしたCostSaverが、日本のAppStoreのトリビアというジャンルで1位だったことを知りました。
ノンキにもほどがありますね…。

ありがたいことにCostSaverは、アプリレビューサイトやブログ、そしてTwitterなどで紹介していただきました。
やはり存在を知られなければ、ダウンロードはされないわけですから、多くの方に知ってもらいたいです。
そのためにプレスリリースを作り、YouTubeにアップする映像を作り、あちこちにレビューの依頼をお送りさせていただきました。

レビューはどんなものでも嬉しいものです。
日々タイトルをググり、ツイッターでサーチし、新しいレビューやコメントを見つけては歓喜です!!
どんなご意見もありがたい。
そして今後の開発の参考になります。

AppStoreに書いて頂いたレビューも本当にありがたいです。
ダイレクトな意見ですからね。
感じたままを言葉にして頂いている感じがします。
これは貴重な意見ですよ。
読んでいると思わず背筋を正したり、気合いが入ったりもします。

あと友達が書いてくれたレビューを見つけたりすると、それもまた味わい深い嬉しさがある。
応援してくれてんだなー、気を遣ってくれてるんだなーって思いますからね。

このアプリをリリースし宣伝することが、今後のためのマーケティングにもなっています。
何が良くて、何がダメだったのか。
何が出来て、何が足りなかったのか。
何を面白がってくれて、何がつまらなかったのか。
やってみたことで解ったことがたくさんあります。

まだonTheHammockはアプリ開発も、リリースも、プロモーションも、アフターケアも未熟で、1つひとつのことが大きな勉強になっています。
まあ、しかし、未熟なままでイイわけないので、ちゃんとステップしていかなくちゃなりません。

という自戒を述べてみようと思ったのも、
次にリリースするアプリの制作が大詰めを迎えているからであり、
自分が作業しなくちゃ完成はしないわけで、
寒さに負けて毛布にくるまっている場合ではないからだったりします。

さて次のアプリはゲームぢゃありません!
激渋な大人のアプリです!!!

onTheHammock 桑村治良

AppBankSemminer
AppBankさん主催の勉強会にも行ってきました!!


 

コストセーバー ウラバナシ

2012/02/09

1/27にリリースしたCostSaverが現在、40000ダウンロードを突破し(本当は49757ダウンロードという、あともうちょっとな数字なんですけど!2/7現在)、AppStore/iTunesStoreの無料Appランキングで最高位27位、無料ゲームランキングでは最高位13位を記録しました。

私も本格的なアプリのプロモーションは初めてのことなんですが、この結果には驚いております。
これも協力してくれた仲間、そしてダウンロードしてくれた皆さん、プロモーションに協力して頂いた方々のおかげです。

本当にありがとうございます!!!

さて、このCostSaverですが、実はそれほどリキんで制作したものではなかったりします。
友人たちとワイワイガヤガヤ、冗談を言い合いながら作ったようなアプリなんです。
振り返ってみれば、まともにミーティングをしたこともなかったような気がする…。

そもそもの発端がおバカなアプリを作りたかったんです。

まだ1つのアプリも作っていなくて、Objective-Cの勉強に明け暮れていた頃です。
やはり野心も大きいですからね。
「売れるアプリって何なんだろ?」「素晴らしいアプリって何だろ?」
なんてことばかり考えてるわけですよ。

でも、そういうのもねぇ…なんだかねぇ…疲れるんですよ。

だから、おバカなアプリを作りたかったんです。

くそマジメな思考を吹き飛ばしたかった!
笑えるものを作りたかった。
そんな感じでしたね。

CostSaverFirstTypeCostCutterScreenShot
開発当初のスクリーンショット。最初は業務仕分け的なイメージもあったのでCostCutterというタイトルだった。

そして、CostSaverを開発したTEAM MONDAI-ARIMASENのメンバーの志(?)もだいたい同じだったんです。

要するに、おバカなアプリを作りたかったんです。

正直言ってCostSaverは技術的に高度なことをしているわけじゃありません。
私が主にインターフェースのデザインとコーディングをして、ゲームのアルゴリズムは超野獣4Sが組みました。
※超野獣4Sって何なんだよって思われるかもしれませんが、多分これアーティストネーム的なものだと思います…。確認したことはないですが。

進行管理はユッチーというTEAM MONDAI-ARIMASEN第4のメンバーが行い、
ウイちゃんこと宇井野さんは…何だろ??
ただ彼なくしてはCostSaverはあり得なかった。
多くのネタを提供してくれました。
彼は真の意味でCostSaverのマスコットマンです。

さて、このゲームは画面に表示される“経費申請書”の内容を判断し、それを“承認”か“却下”するかを審査するゲームです。
ということは、“却下”される“経費申請書”がネタであり、このバカさがCostSaverの肝となります。
このネタ作りはチームのみんなで爆笑しながら作っていきました。
いやぁ、楽しかったですよ。だって、仕事じゃないんだもん。

あと、CostSaverにはゲームの本筋とは関係のないところで遊び心が入っていたりします。

CostSaverは“経費申請書”に“承認”もしくは“却下”の判子を押したときに、“社長”からのコメントが表示されます。
これもネタの部分なんですが、例えばユーザーが「朱肉を何度も押したら?」
「申請書に何度も判子を押したら?」「あるいは判子を押さなかったら!?」
ということまで我々は考えて、コメントを用意したり、プログラムを組んだりしています。
実はこういう細かな作り込みがされていたりするんです。

とにかく我々は自分たちが笑えて楽しめるものを本気で作ったのだと思います。
それが自分たちの想像以上の結果を生み出したのではないでしょうか。

よくもわるくもアマチュアリズムによって生まれたアプリだと思います。
よくもわるくもそういうチャレンジの場があることが、スマートフォンアプリの魅力だと思います。

だけど、次のステップを目指さなくてはいけません。

まだ私は未熟なので多くの人に満足してもらえる商品を作るのは難しいです。
でも、仲間たちに共感して楽しんでもらえる作品は形にできるような気がします。
それは現在のハンモックのモノ作りの足がかりであるとも思います。

flowchart
生真面目にフローチャートも作っていた。こういうのもユッチーが作ってくれた…。

onTheHammock 桑村治良


 

ライフスタイル ワークスタイル ノマドスタイル

BLOG Vol.4 ICON
2012/01/31

sagami bay

以前も書きましたが私は三浦市に住んでいます。
三浦半島の下です。
京急三崎口駅から徒歩30分です。
友人は陸の孤島なんてことを言いますね。
自分ではそんなことはないと思うけど。

ただ東京で駅から徒歩数分の距離に住み、
終電なんて気にしたことなかった数年前の自分は、
“陸の孤島”と言った友人と同じような印象を抱くでしょう。
でも、これは自分で選んだ環境であり、
私はここでの生活を愛しています。

ライフスタイルが変われば、ワークスタイルも変わります。

移動は電車が基本です。
うちの最寄駅は三崎口。京急線の始発駅です。
横浜まで45分、品川まで1時間、渋谷まで90分。
この時間は有意義に使いたい。

基本的には情報収集です。
twitterやはてなで情報をピックアップし、Instapaperでセーヴ。
それを読み返して必要なものはevernoteにクリップする。

また、私のiPhoneはonTheHammock用のメールアカウントも、
個人仕事用のメールアカウントも同期してるので、
電車内でメールのやり取りをすることも多いです。

そして一気に浸透したNAVERさんが提供しているLINEというサービス。
移動が多いノマドワーカーにとって、
LINEはオンラインミーティングでも非常に使えるツールであります。

他に利用しているサービスはなんでしょう。
Facebook、Skype、GoogleDocument、Gmail、DropBox、FireStrage、GigaFile…。
あまりコミュニケーションツールが多いと、どのツールで連絡を取ればよいのかわからなくなることもあります。

ライフスタイルが変わればワークスタイルも変わります。
私のワークスタイルを可能にしたのはモバイルツールとWebサービスです。

onTheHammockに参加しているクリエイターの居住地もバラバラです。
三浦、藤沢、横浜、川崎、東京…。
彼らも個々のライフスタイルにより、独自のワークスタイルを生み出していると思います(これ、面白いので今後のブログで紹介したいデス)。

これまで仕事は居住地と密接に関わっていました。
移動というファクターは非生産的なものとみなされていた。
共同で仕事するには、共有できる場所が必要だった。
でも、移動しているから生産ができないわけではない。
共有の仕事場が無ければ仕事ができないわけではない。

Small Office Home Officeという概念は、モバイルツールとWebサービスによって
どこにいても、どんなときでも仕事が出来るノマドワーキングへと発展したように思います。

現在、onTheHammockにはオフィスがありません。
それはこれまで良いこととされてませんでした。
だけど、そうなんでしょうか?
拠点とは、“活動の足場となる重要な地点”です。
それはネットワーク上で作ることも出来ます。

ただし、まだまだ完全ではありません。
モチベーション管理、進捗管理、教育などなど、このワークスタイルに合った方法を考えなければならない。

今の私はこの状況を良い/悪いで判断できません。
まずは、この環境を私のために活用したいと思います。
そして、これが面白い事例の1つになれば、
きっと社会的に悪いことでもないのだと思います。

onTheHammock・桑村治良

 

miura farm
近くには海があり、広い農園があります


 

コトノハジマリ

2012/01/19

事の始まりというのは、あっけないものです。

半年前、私はiPhoneアプリを作るためにObjective-Cという言語を身につけようと悪戦苦闘していました。
これがなかなか思うようにいかない。
本を読んで学習して、わかったつもりではいるけど、
正しく理解しているのかと自分に問うと心もとない。
まるで濃い霧のなかを歩いてはいるんだけど、目的地に向かってるのかどうかはわからない感じでした。

そこで、ちょっとした試みを自分に課してみました。
あるSNSで「こういうアプリを作ります」と宣言してみたんです。
そして、その進捗状況を毎日公開することにしました。
そうやって人の目に晒すことで、自分にプレッシャーを与えてみたわけです。

それはキャラクターを使った英語学習アプリでした。
もちろん非常にシンプルなものです。
でも、アプリとしての体裁を成すには、
クリアしなくちゃいけないハードルがいくつもある。
それを一つひとつ機能を実装していきました。

そのアプリはちょうど7日で出来上がりました。
壁にぶつかったり、乗り越えたりとなかなかサスペンスフルな7日間でした。
そして、これが自分のなかでブレイクスルーになりました。

ビジョンとプロセスが描ければ、目的地に到達することは出来る。


※生まれて初めて制作したアプリ「What day is it today?」。今日の曜日を英語で答えるというもの。

さて、この英語学習アプリを面白いと言ってくれたのが、イラストレーターのSachicoさんでした。
彼女はLAに留学した経験もあり、英語が堪能です。
しかもキャラクターを描くこともできる。
このアプリを製品として完成させるのには打って付けの人物です。

始まりは軽いノリでした。
「このアプリ用のキャラと英語の問題を作ってくんないかな。ギャラは売上の50%でっ!」
「その話ノッた!!」
こんな感じです。

そしてSachicoさんとのプロジェクトが始まりました。
それはこのレーベルへと繋がっています。

※先月リリースしたCatchUpArconsというゲームはこの英語学習アプリのスピンオフ的なものだったりします。

onTheHammockは、このように進行しているプロジェクトが3つあります。
この3つをリリースしたらレーベルも本格始動できるんじゃないかな。

フットワークは軽く、中身は濃いレーベルとして、いろんなクリエイターと面白いアプリをリリースしていきたいです。

onTheHammock・桑村治良

Under Working!!



 

オン・ザ・ハンモック

2012/01/11

神奈川県の三浦市に引っ越してきて、ちょうど2年が経ちました。

初めて会う人には、よく三浦市に移住した理由を訊かれます。
その理由の1つはハンモックを吊るすのに最適な庭のある家を見つけたからでした。

さてハンモックの魅力に出会ったのは3年前、ベトナムを旅行していた時です。
とくに目的もなく強行してしまった旅だったので、何をしようかとホーチミンに着いてから考えていました。
そしてメコン河をクルージングするツアーがあり、そのツアー先の食堂でホームステイが出来ることがわかりました。

旅先で民家に滞在するのは面白いです。
危険もあるのでおすすめはしませんが、そこで暮らす人の生活が垣間見える。
普段そこで食べられている食事ができる。
ゆっくりといろんな話ができたりもする。

一人旅だったので、思いついたことは即実行です。
すぐに旅行会社に行って、2日間ホームステイをしたいと告げました。
しかし、そこのスタッフには怪訝な顔をされました。
「あそこは2日間も滞在するようなところではない」と言うのです。
ただ、自分は一度決めてしまうと頑固なところがあって、
「いいのいいの、2日間でよろしく〜」てな感じで押し切ったのでした。

メコン河クルーズはそれなりに面白いものでした。
ボートでメコン河のジャングルを巡って、ココナッツキャンディを製造している工場なんかも見学したかな。
でっかい蛇がいたのでそれを首に巻いたりして遊んだ記憶があります。
そして昼食はメコン河の中州にある食堂へ。
エレファントフィッシュのフライなどに舌鼓を打ちつつ、ツアー参加者のみなさんともお話したりした。
「僕はここに2日間ステイさせてもらうんですよー」「えっ…なんで!?」なんて会話もあったり。

ここの食堂の飯はなんでも美味かったです。あとビールが飲めるってのはかなり助かった…。

束の間の同行の方達とお別れをして、
いざ今日から滞在するこの島を探検しよう!ってことになりました。
まあ、1時間ほどで探検は終わりましたね。
ここは直径が1kmくらいしかない小さな中州だったんです。

さて2日間、48時間、結構長いです。
夜は蛍が見られますが、それ以外は大したイベントもありません。
ステイ先の家族とお話をしようにも、カタコトの英語も通じません。

そして目に入ったのが食堂の片隅に吊るされたハンモックでした。
それから2日間は見事に何もしなかったです。
ハンモックに揺られながら本を読んだり、考え事をしたり。
食堂の子供たちと仲良くなったので一緒に遊んだり。
朝飯を食った後はゆらゆら揺られて、チョロっと散歩したら子供たちが遊びに来て、
またゆらゆら揺られていたら昼飯の時間になって、そんでハンモックで昼寝して、みたいな感じです。

ここに住む人たちの生活も観察していました。
島には畑があり、果樹園があり、鶏がいたるところを走っています。
一家の長らしきお父さんは常にランニング姿で何をしているというわけでもなく庭の軒先に座っていました。
たまにハンモックの上にいましたね。

働いているのは女の人たちでした。
洗濯して、掃除して、食事を作って、食堂に来たツアー客に食事を出して、ライチなどを収穫して。
やることは沢山あるようでしたが、彼女たちもハンモックで昼寝したりしていました。
夜はテレビを観ていたと思いますが、就寝時間は早かったと思います。

彼らを見ていて、ちょっと羨ましくなりました。
特別に何もない感じがすごくいいように思いました。
それはもちろん自分勝手な視点なのですが。
多分裕福ではないでしょうし、旦那さんたちは夜明けと同時くらいに外に働きに行ってるみたいだったし、
子供たちは学校に行くのも大変だろうし、欲しいものを手に入れるのも簡単ではないだろうし。

ただ彼らの生活を見ていて、
面白いことや、ビックリするようなことや、
特別なことや、やらなくちゃいけないことが毎日なくてもいいよなーと思いました。

それから、日本に帰ってきてちょっと生活が変わりました。
料理をするようになったり、あんまり外食をしなくなったり、
多少の距離なら歩くようになったり、早起きになったり。
それまでは便利であることに重きを置いていたのが、そうではなくなったような気がします。
そして、あのハンモックの寝心地がどうしても忘れられなかった。

それから早かったですね。
3ヶ月後には三浦に物件を見に行ったりして、半年後には引っ越してきました。
そんで三浦に移住して、3ヶ月後には退職してフリーになって…。
その退職のお知らせをするメールに
「今後のことはハンモックに揺られながら考えたいと思います」というような文章を書いたと思うんです。

そんなこともあってonTheHammockという名前をレーベルに付けてみました。
まだ、口に出して言うのはぎこちなかったりします。

onTheHammock・桑村治良


[上左]ここにいつも一家の長が座っていた。[上中]こいつにiPhoneを渡すとすぐに使い方を覚えた。[上右]別に怒ってるわけじゃないです。[下左]最初はここでどうやって48時間過ごせばいいのか途方にくれた。[下中]この娘にはもてた。[下右]この娘にはもてなかった。


 

アプリレーベル、はじめます。

2012/01/03


謹賀新年 あけましておめでとうございます。
アプリレーベル、はじめます。

昨年の12/4に「CatchUpAcorns」というiPhoneアプリをリリースして、はや一ヶ月。
まだアプリレーベル・onTheHammockは準備中です。
なのでアプリレーベル、はじめましたとは言えません。
ですが、本格始動に向けてフル稼働中です。

ところでアプリレーベルという言葉も聞き慣れないものだと思います。
ふと思いついて出てきた言葉です。

私は『JUNGLE★LIFE』という音楽系フリーマガジンに約7年ほど携わっていました。
なので私にとってレーベルと言えば音楽レーベルのことです。
そして敢えて言うと、私がレーベルと聞いてイメージするのはインディーズレーベルのことです。

10代の頃からイギリスやアメリカのインディーズ音楽が好きでした。
クリエイション、ラフ・トレード、マタドールといったレーベルの音楽をこよなく愛していました。
そこそこ大人になってからもスリルジョッキーやワープからリリースされる音楽に興奮したりしてましたよ。

音楽雑誌に携わるようになり、私が出会ったのは日本のインディーズレーベル、インディーズバンド、インディーズファンでした。
自分が『JUNGLE★LIFE』に在籍した7年間でかなり多くのアーティスト、バンドにインタビューさせてもらったと思います。
その半分以上はインディーズのアーティストだったんじゃないかな。

そして多くのインディーズレーベルの方と知り合い、話を聞かせてもらいました。

自分の作品をリリースするためにレーベルをやっている方、
昔から好きだったアーティストの作品をリリースするためにレーベルをやっている方、
レコードショップをやりながらレーベルをやっている方、
ライブハウスを運営しながらレーベルをやっている方、
メジャーレコード会社の社員として働きながらレーベルをやっている方、
アルバイトしながらレーベルをやっている方、
いろんなレーベルの方に出会いました。

アーティストにインタビューするのも面白かったけど、レーベルオーナーに設立経緯なんかを聞くのも凄く面白かった。

レーベルの方にインタビューする時、よくしていた質問があります。
「あなたのところのレーベルのカラーって何ですか?」
これはレーベルの方を困らせる質問です。

レーベルってジャンルじゃないんです。
例えばパンクロック専門だと思われているレーベルの方も、自分でパンクロック専門レーベルをやっているとは考えていなかったりします。
むしろ、そうやって規定されることが嫌だったりします。
レーベルには、それを運営している人たちの音楽感や音楽的視点が込められているのだと思います。

私はレーベルも表現の一種なのだと思います。
レコード会社という言葉とレコードレーベルという言葉は同じようでいて、何かが大きく異なります。

さて、前置きが長くなりました。
スマートフォン・アプリの市場は巨大メジャーメーカーも存在しますが、個人で自分の作品を発表しているクリエイターも沢山います。
経験がなくてもアイデア1つで面白いアプリをリリースしたり、個人でも斬新な発想でこれまでなかったようなアプリが発表できる。
私にはそれが自分に馴染み深い音楽シーンと重なって見えました。

ここにレーベルという発想を持ち込めば、なにか面白いことが出来るかもしれない。
アプリレーベルというアイディアはそうやって生まれました。
onTheHammockでは、これから面白い作品や魅力的なクリエイターを紹介していきたいと思っています。


2012年の夜明けです。
onTheHammock・桑村治良

「われわれを刺激する芸術作品は、ごまかしや不安を抱いた人間からは生まれない。芸術は、大きな喜びにあふれた楽観的な人間性のあらわれであり、その瞬間にこそ作品が生まれる。」
ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』