トレッキング初日は3000段以上あるウレリステップ
天気は朝から曇天。
朝食を食べて12日間宿泊したホテルオーキッドをチェックアウトする。1週間以上滞在するということで1日の宿泊費24ドルを2000ルピーにしてもらった。ここにはトレッキングが終わって7日にまた戻ってくる。それまでトレッキングに持っていかない荷物を預かってもらうことになった。
8:00、ガイドのジブンさんと車でナヤプルまで出発する。彼は昔はポーターをやっていて、それからガイドになったという。この仕事は15年になり、以前はNHKのテレビの企画でガイドをしたこともあるらしい。基本は英語での会話だけど、たまにちょっとした日本語が出てくる。よく話しかけてきて、こちらに気を使ってくれているのがわかる。
9:30、トレッキングの出発地点となるナヤプル村に到着。ここでトレッキング許可証のチェックをする。朝は曇りで天気が心配だったが、きれいに晴れた。雨期だし、山なのでガラリと天候が崩れることもあるだろうが、ひとまず安心だ。
村は商店が続き、にぎやかだ。トレッキングに出かける前の食事をしたり、ちょっとした準備もここで出来る。山から村へと入るの入り口にはトグロを巻いたコブラの像がある。瞳孔が開いた目で、舌をだしているのであまり威厳はない。そして吊り橋を渡り、しばらく歩くとTIMSのチェックポイントがある。チェックを済ませて、さらに歩くと青・白・赤・緑・黄のタルチョーで飾られた橋がある。これはチベット仏教の祈祷旗で色により天・風・火・水・地を表すという。コブラの像はヒンドゥー教で旗は仏教というように、ネパールの文化はヒンドゥー教と仏教が複合しているとジブンが言っていた。
タルチョーの橋を渡るとアンナプルナ保護区入域証のチェックポイントがあり、ここから正式にトレッキングの始まりとなる。
村を出て山道を歩く。これまでのトレッキングはテントや食器やクッカーなどを持ち歩くのがほとんどだったので荷物は軽い。出だしは好調だった。
トレッキングロードには山の湧き水が飲めるポイントが結構ある。ジブンは普通に飲んでいるが、飲むのはやめておいた。
山道を抜けるとマタタティという集落に着く。ここの人たちは段々畑で米やトウモロコシを作り暮らしている。男は牛を使って田んぼを耕し、女の人は手で一本づつ苗を植えていた。
マタタティを抜けるとレストランやロッジが出てくる。このトレッキングロードを歩いていると所々にこうしたロッジがあるようだ。よっぽどのことが無い限り遭難とかはなさそう。甘いか? まだ始まったばっかりだ。
11:30、グリーンランドという食堂で昼食。チキンチョウメンをオーダーしたら、チキンは無いと言われる。鶏はそこらへん走り回ってるんだが。多分、トレッカーも少ないからいちいち鶏を捌いていられないのだろう。ということで、エッグチョウメンを食べた。なんか麺がパスタっぽ。チョウメンをネパール料理だと思い込んでいたが、ジブンに聞くと中国料理でネパール人はそんなに食べないのだそう。トレッキングで立ち寄る食堂ではネパール料理を頼んだ方が良さそうだ。食後に飲んだミントティーで口の中が爽快になった。
昼食後1時間でトレッキング開始。時々、小さな集落があり、ジブンはまめに休憩を入れてくれる。こうした集落にはヤギがいたり、牛がいたり、馬がいたりする。しかし、一番多いのは犬だ。人なつっこく近寄ってきて、噛みそうな気配はない。町の犬の多くには皮膚病が見られたが、山の犬にはそうした病気は見られない。食べ物や水の違いなのか。
道を歩いていて気をつけなくてはいけないのが様々な糞だ。牛の糞はどでかく存在感があるので、避けるのはたやすい。馬は歩きながら至る所で糞を垂れるので、気をつけないと足にべっちょりなんてことになる。
13:30にティケドゥンガという集落に到着。わりと早いペースらしい。ペースが遅ければここで宿泊するかもしれなかった。ここにはゲストハウスが10件くらいある集落で、ゲストハウスによってはwifiも使えるようだ。>ティケドゥンガを出てつり橋を二つ渡ると、ウレリステップという難所が待っていた。ジブンによると、ここは3000ステップ以上もあるという石の階段だ。この階段だけで高度差が600メートルあるという。ここまでのトレッキングは登りも少なく楽しんで歩けたが、このウレリステップがキツかった。当然、石の階段といっても不揃いで、これを登っていると息が上がる。標高も高くなってきたせいもあるのだろう。10分くらい歩くと心臓がバクバクと脈打つ。何度も休憩を入れるが、その度に倒れるようにして座り込む。体力がなくなったな。ただ呼吸をすると空気がおいしい。
ようやくウレリステップを登りきると、今日の宿泊する集落のウレリに着く。KAMALAというゲストハウスが今日の宿だ。部屋はこじんまりとしているが、山小屋よりは全然良い。ちゃんとベッドもある。部屋に入るとシャワーで汗を流す。これで身体が生き返る。
シャワーで服を簡単に洗って、外に干しにいくと雨が降ってきた。すぐに雨足は強くなる。トレッキング中にこの雨にやられると結構ずぶ濡れになっていた。
晩御飯はチョプシーというネパールの揚げ麺を食べる。ここのは米の麺を揚げて、野菜のアンを掛けている。辛くしないでとオーダーしたので、食べやすく美味しい。飯代はトレッキング料に入っているが、ビール代は別だ。エベレストボトルが高地価格で400ルピー。それでも2本飲んでしまった。
ウレリの集落の家は石で出来ている。外壁はレンガのように石を積み上げ、屋根は平らで大きな石を並べている。町の舗道も石畳で出来ていて、まるで石の町だ。
少し町を散策して部屋に帰ったらバタンキュー。
今日、ウレリステップを登ったので明日の出発はゆっくりでもいいらしい。