アンナプルナ・パノラマ

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今日も5:00に目が覚める。すぐに窓の外を見ると濃霧だ。朝焼けに照らされうすく赤い。こんな濃霧だと、プーンヒルに登ってもアンナプルナは見えないかと落胆していたら、5分後くらいにアンナプルナサウスに朝日が差してきて、少しづつ空がクリアになってきた。すぐにサチコを起こすとその外の景色を見て泣いている。人は起きて1分も経たずに感動して泣けるんだな。泣くのはまだ早い。

部屋を出るとジブンも起きてきたので、すぐにプーンヒルに行こうということになった。
小さなバックパックに水だけ入れて、プーンヒルまでの道を歩く。軽快に山道を歩いていたが、途中でくるぶしにヒルがくっ付いているのに気づく。慌てて手で振り払うと今度は手に吸い付く。強く何度も手を振るとようやくどこかに飛んでいった。短い靴下で素肌を出すのはまずいかもしれない。

林を抜けると雲を突き抜けるアンナプルナサウスが姿を表した。山の上を覆う雲の向こうから青い空が見え始めている。ホテルの部屋から目にした姿よりも、遥かに大きくはっきりとした姿が見える。

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プーンヒルまでの階段。頂上には物見台がある

丘の頂上まで長い階段を登ると、そこにはアンナプルナの山々の全景があった。360度のパノラマとして眼前に山々がそびえ立っていた。その姿は写真や絵で何度も見てきたが、実際に目にするとその調和のとれたフォルムの美しさに震えた。
ジブンもオフシーズンの雨期でここまでの景色が見られるのは凄くラッキーだと言っていた。トレッキングの出発を1日遅らせていれば見られなかったかもしれないし、ホテルを出た時間もベストタイミングだった。彼は急にプーンヒルの頂上で腕立て伏せをしたり、ランニングを始めたりしたのだが、あれは非常に興奮していたのだと思う。

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一生分のアンナプルナを堪能し、ホテルへと戻った。ホテルからプーンヒルまでは約50分。帰りは約30分くらいだった。

朝食はベジスープヌードル。野菜を入れたインスタントラーメン。朝食と昼食は軽めにすることにした。腹がたまると歩いていて疲れるからだ。
ミネラルウォーターを購入したかったが在庫がなかった。煮沸した水をペットボトルに入れてもらう。ちょっとゴミが浮いているのが不安だが、背に腹は変えられない。
あとヒル対策としてサチコに長い靴下を借りる。肌を晒して歩くのは怖い。

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9:00にハングリーアイを出発。ちょっと歩くと小雨が降ってきた。休憩ポイントでポンチョを着る。基本的に下りの山道なのでしんどくもなく、小雨くらいが涼しくて気持ちいい。

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11:00に少し雨足が強くなってきた。Deurali Yak Hotelというゲストハウス/レストランがあったので雨宿りしたら、数分後に土砂降りになった。ずぶ濡れにならずに良かったが、足を見るとヒルが…。いそうな予感はしていたが、やはりいたという感じだ。しかも何匹も。ゲストハウスの人が塩を持ってきてくれる。ナメクジと一緒で塩を掛けると弱まるのだ。
サチコにヒルチェックしとけって言ったら「大丈夫!」と答えるが、ジブンがすかさず「大丈夫じゃないよ!」と言った。バックパックにヒルがいたのだ。そして、足にも数匹。ジブンも今朝、プーンヒルに登ったときにヒルにやられたらしく、靴下のつま先が血まみれになっていた。ジブンは基本的にTシャツでトレッキングしているので、この後は腹にもヒルがくっ付いたりしていた。

ヒルでてんやわんやしていたら、雨を逃れてスペイン人夫婦のトレッカーもやってきた。ゲストハウスの主人が薪ストーブを焚いてくれたので、濡れた衣服を乾かしながらみんなで暖をとる。
スペイン人の夫の方は、去年2週間ほど神戸の学校でスペイン語を教えていたそうだ。彼の日本の印象は非常に良くて、都会でもゴミがなくて素晴らしいと言っていた。海外に出ると日本の印象の良さに気づくことが多い。彼の日本への不満は食べ物の高さだけだったようだ。神戸で神戸牛を食べて焦りまくったらしい。

雨が止みそうにないので、Deurali Yak Hotelで昼食をとることになった。このゲストハウスは表にヤクのツノが飾られていて、主人はヤクのミルクで自家製チーズを作っている。ちょっと食べさせてもらったが、濃厚で美味い。ワインが飲みたくなった。

昼食は卵スープとチャパティ。サチコはパンケーキ。パンケーキは自宅でとれたハチミツを付けて食べたがこれも濃厚だった。
ジブンから、もし雨が止まないようなら、今日はここに泊まろうと提案を受ける。山道は滑りやすいし、ヒルも大量に出るからだ。確かにあまり無理はしたくない。しかし、先のことを考えるとここで泊まったのではほとんど進んでいないのと一緒だ。

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食後、しばらく外を見ていると雨も止んできた。やはり先に進むことにする。上着もポンチョから、ゴアテックスのジャケットに着替える。雨は止んできたが、ヒルが上から落ちてくることもあるので、両腕や首も肌を露出したくないからだ。スペイン人夫婦はわりと平気そうなのでナイーブ過ぎるのかもしれないが、ヒルは気持ちわるすぎる。

雨のトレッキングが辛いのは山道で休憩がなかなか出来ないことだ。荷物を置くと濡れるし、ヒルのことを考えると落ち着いてられない。ジブンもペースを早めにひたすら歩く。そしてゲストハウスがある路地があると休憩する。石畳で木が頭上になければ安心だ。今日の宿泊地であるタダパニまで2時間半。かなりペースを早めに歩いたので疲れも倍増だった。

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タダパニは3つくらいのゲストハウスが集まった集落。オフシーズンなので閑散としていた。ヒマラヤツーリストゲストハウスはこれまでで最も簡素な部屋だった。シャワーは無く、蒔ストーブで暖めたお湯で頭と身体を洗った。風邪をひくのも怖いので、身体を洗ったあとはこのゲストハウスの家族と一緒にストーブの前に暖まっていた。一応、wifiが使えたのでダラダラと過ごす。

また食事前にビールを飲む。ジブンはネパールのラム酒をお湯で割って飲む。これが一番身体が温まるそうだ。自分もジブンのラム酒のお湯割りを飲む。喉と胸が熱くなる。酔った。

夕食のダルバートはハングリーアイとは少し違ったが、家庭的な味がした。ライスとダルスープをお代わりした。

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部屋に戻ると長ズボンとセーターを着てベッドに。寒いのもあるがダニがいそうなので素肌を露出したくなかった。それでも足を何箇所も噛まれた。ぐっすり眠ることもできず、夜中に何度も目を覚ます。